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| 2008年1月号(No.716)12月10日発売 月刊「PHP」PHP研究所 |
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| ◆特別企画 我が家のお正月のしきたり |
| 著名人のお正月の過ごし方とは?そこにはさまざまなしきたりがあるようです。 |
| 家庭によって異なるお正月のならわしを各分野でご活躍の方々に伺いました。 |
| 文/玄侑宗久 |
我が家には正月のしきたりが、ありすぎるほどある。これは我が家というより、長年のお寺の習慣である。ここでは、そのなかでわりと一般的なものを紹介しよう。
元朝(がんちょう)の四時に起きて若水(わかみず)を本堂に供え、五時からは一般の人々も参加して坐禅会(ざぜんかい)が行なわれる。その後年頭の挨拶(あいさつ)をしてお屠蘇(とそ)やお酒、海老芋(えびいも)などをふるまうのだが、それが済んで一般の方が帰ってしまうと、それから徐(おもむろ)ろに家族が書院に集まるのである。
緋毛氈(ひもうせん)のうえに坐(すわ)った家族は、あらためて皆で「明けましておめでとうございます。今年も宜(よろ)しくお願いいたします」と言って挨拶しあう。家族ながらもこんなふうにあらたまって礼を尽くし、お抹茶(まっちゃ)をいただくとき、じつに厳粛な空気がそこには流れる。
軸物は必ず八方睨(はっぽうにらみ)みの達磨(だるま)図だが、これは禅宗の初祖を意識する、つまり初心に返ることを意味する。
家族とは、気づいたらいつのまにか家族だったわけだが、本当はこうして共同生活者としてあらためて出逢(であ)い、挨拶を交わすことで家族になるものだろう。その意味では毎朝の出逢いも、小さなお正月である。 |

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