単行本文庫
07

脳と魂文庫本

脳と魂

筑摩書房/ちくま文庫
刊行日:5月9日
販売価格:735円(税込)

【内 容】

脳と魂

解剖学者と禅僧。
異色の知による変幻自在な対話。

二人の共振から、現代人の病が浮き彫りになり、希望の輪郭が見えてくる。

ゆるやかに曖昧で、精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な科学者。悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。二人のねじれが螺旋のようにからみ合い共振する。智慧と勇気のダブル・スパイラル。

《目次》
第一章  観念と身体
ニーズがわかる/「死体」の展示が大にぎわい/置き去りにされた身体/正座が出来ない/身体問題は近代化のツケ/体育の哲学がない/解剖は修行だ/理屈に落す危険/禅は心身一如/脳と身体に効く瞑想/観念が悩みを増幅する/言葉が届かない境地/どん底に落ちた底を掘れ/思考や観念にはきりが無い/「とにかく、黙ってやれ」/不自由の中で自由に気づく/一切はただ心が造る/日本にもミイラがあった/観念つぶし
第二章  都市と自然
結論は仏教にある/原型は母系社会/母系社会から父系社会へ/囲いの中の都市/男は本来暇だった/抹殺された女性原理/直線と循環/「始め」がない/「あの世」へ戻る/直線は権力の象徴/キリスト教の遠い祖先/現実には応用しかない/八百万、咲きにぎわう/唯一観客は信仰にすぎない/人間の意識はにサルには通用しない/意識が壁をつくる/都市文明の行き詰まり/自然をコントロールしてきた人々/日本の自然はやさしい/豊かでしたたかな日本の自然/日本の自然と循環の思想
第三章  世間と個人
日本に個人はない/挙句の果てが「自分探し」/坐禅から始まる個人/職業差別なんて怖くない/世俗と宗教の壁/江戸以前の「個」/日本人は攻撃性が内に向かう/社会的役割という考え方/日本型平等思想の強靭/近代主義の残滓/人は変わる/「変わらない私」という幻想/自立って何だ/名前を変える/個性なんかない/社長は親分、助教授は若頭/オランダの安楽死/自己決定より重い世間/死んだらホトケ/自分に対する安楽死/年寄りにはわかる/見えない自殺/変わる自分を楽しむ/脳死の矛盾/水に流す/様々な機能が生まれ変わる/連続性は同一性を保証しない/障子一枚のプライバシー
第四章  脳と魂
言葉なんて要らない/筋肉の記憶/システムは続く/記憶も自発性も、システム/それは……魂?/脳の埒外/一気に変わるのはなぜか/人に人はつくれない/三木成夫の世界/自然の中の文字が読める/すべては出来事/西洋はキリスト教に戻る/分割出来ないモノで世界は構成できるか/カオスの東洋的理解と西洋的定義/この世が地獄!?/生き物が教えてくれる/見えないものを受け容れる/因果律はこの世に収まらない/色で空は捉えられない/すべてがつながっている/希望をもったまま保留する

あとがき
 ふつうのお坊さん……養老孟司
 孟母四遷して…………玄侑宗久
表紙イラスト:南伸坊
解説:茂木健一郎
「脳と魂の間の補助線」
既成の概念にとらわれない、生のリアリティに着地した語り
多くの猥雑なノイズがまとわりついている対象を捉える

初出:2005年3月12日 第2717号「図書新聞」(株)図書新聞4面

top前に戻る