
NPOという言葉にはnonが頭についています。利益を第一義的な目的にしてはいけないということですね。一方でNPOという言葉は、第一義的な目的は何なのかということは言っていないわけですよね。自分たちで考えなくてはいけないのでしょうけれど。
フランスの国旗は「自由・平等・博愛」を3つの色で表しています。この3つが人間にとって最も大事な3つの要素だと認めるならば、プロフィットはどこにつながるかというと「自由」です。自由は経済が、平等は政治が、博愛は宗教が担うのだと思います。経済と政治と宗教がうまくからまったときにうまくいく、と考えられていたわけですが、今の政治というのは平等を目指しているとは考えにくい。経済原理が政治の中にどんどん流れ込んで、平等を脅かしているというのが現状だと思います。
NPOはプロフィット、すなわち経済原理だけではないと謳っているので、平等や博愛が入りこむ余地があります。ただしある種の不自由を覚悟しなくてはいけません。不自由を覚悟することで平等と博愛を得る、という成り立ちになるのではないでしょうか。
また、オーガニゼーションですので「組織」である難しさがあります。オーガニゼーションは細胞と人体の関係にも例えられます。人体はお互いが基本的にはノンプロフィッタブルにかかわっています。脳は自分で考えて苦しんでいるので、自業自得かなと思いますが、心臓なんて奉仕しっぱなしです。近年、科学の発展によって1つの細胞から人体が復元できるということがわかりました。すなわち受精卵から成長して行く過程で、私は足の裏になるよ、私はひげになるよ、私は爪になるよと、他の能力を全部眠らせて組織の中の一部になっている状態ですよね。この人体そのものに学ぶべき部分は多いと思います。
人体の不思議は、それぞれの生命がどのように活動しているかわからないが、生き続け、展開し続けている、ということです。一方でオーガニゼーション全体はそれほど変化しません。個々の細胞は入れ替わりながら、システムはある状態を保ち、しかも成長している、ということがすべてのオーガニゼーションのモデルだと思います。
組織は死んではいけません。組織が死ぬというのは、細胞が入れ替わらないことです、人は変化し続けているのだから、変化している私というものを受け入れていけるものでなければなりません。組織にも恒常的な部分と、変化して止まない部分の両方があり、変化して止まない部分を受け入れられることが大切です。そこで肝心なところは、やっぱりいのちです。魂というか。