先にもいいましたが、「自分」というものは、世間の単純な物差しで、測ることはできないんです。世間の見方を、そうそう信じたら、萎縮してしまいます。
いい例があります。ハイポニカトマト
※2)をご存じですか。植物学者の野澤重雄氏が発明したハイポニカ理論によって育てたトマトで、なんと1粒のトマトの種から1万数千個の実がなります。簡単にいうと、植物の潜在的な生命力を最大限に発揮できる環境(土の代わりに水中心で栽培)をつくった結果、驚異的な生産量を得たんです。野澤先生は「まだ小さい苗の段階で、植物に『思いっきり生長してもいいんだよ』と信じさせ、安心感を与えることが重要」だと説いています。植物ですら、潜在能力を発揮できるんですよ。
われわれは、小さいころからの世間とのかかわりで、「自分はこの程度の人間(脳力)だ」って、いつの間にか思い込んでいます。それを取り払えば、いわゆる神通力が出てくるんです。
禅の言葉で「蚊子(ぶんす)の鉄牛を咬むが如し」
※3)という表現があります。字のごとく鉄でできた牛を、蚊がチクリと刺す。

そんなこと、無理に決まっていると思うでしょう。ところがどうして、蚊が牛の血を吸うかもしれない。そんな予想不可能な真実がある、という意味です。人間も同じで、常識的な判断を超えた力を発揮できるんです。
つまり、世間によって刷り込まれた自分の意識が、「脳力を発揮すること」を抑制しているんです。例えば3日間も眠らずにいられると思いますか?「無理でしょう」という思い・常識が、人を眠らせてしまうんです。実際、7日間眠らなくても大丈夫だったりね。現に、9日間の不眠を課している修行
※4)も、天台宗では特別にありますよ。
問題は、どうすれば、おのれの常識から解放されるか、です。そのためには、良い方向のイマジネーションを持つようにするといいです。例えば「○○したら脈拍が上がってしまう」と、考えた途端に脈拍が上がってしまう(笑)。
身体のほうが、期待に応えてくれるんです。だから少しでも悪いイメージはダメ。例えば「ガンになりたくない」と、ずっと思い続けているだけで、ガンにかかったりします。述語は「なりたくない」でも、「ガン」というネガティブな単語があります。イメージが身体をリードすることって、多いんです。
いかに、自分を勇気づけるようなイメージを描いて、行動できるか

。
強靱なイマジネーションが必要ですが、これがとても重要ですね。
あと、もう一つ。
少し前の時間、過去の時間を、思い切って捨ててしまうことです。
これについては、「青山緑水」という言葉があります。自然の美しい景色

動かない山と、動き続ける水と。動と静があらゆる多様性をもって存在し、絡み合い、矛盾なく収まっている。それが自然というもの。そして川の水は絶えず流れているから、淀まず透明なままです。瞬間ごとに、生まれ変わっている。人間も同じです。積極的に自分の内面を変えていく、そのためには常に新しく生まれ変わっていかなければならない。このスピードアップが、自分を淀ませないための秘訣。これには、「前の時間を捨てる」と、いいんです。
さっきまで泣いていても、すぐにニコニコするが吉。瞬間ごと、新しい自分で、これからを生きていきましょう。