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kokyu

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天に伸びる、地に根を張る・・・。
自分を1本の木とイメージしてみる
足元に意識を置くと体は重く、逆に頭上を意識すると、ふわっと浮くような感覚を覚える。「気血」=意識が動くと血も動く。呼吸と同時に行うことで、よりそれが実感される。


体の中から水が引いていくのをイメージして、息を吐いていく。喫水線を両手で表現すれば、より具体的にイメージングできる。

genyu kokyu 頭上から足元に向かって、喫水線が下がっていくのをイメージし、息を吐いていく。肺活量が少なくても、イメージの力によって、深く息を吐くことができる。

足元から、頭上に向かって水が満ちていくのをイメージし、息を体内に吸い込んでいく。

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「からだ様」が喜ぶ、禅の呼吸術

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呼吸を通じて宇宙とつながる

 kokyu呼吸とは、自分の内側に大気を取り込み、そして再び外へ還す作業だともいえる。
「宇宙にあるものを、吸うときに受け取って、出すときに、いらなくなったものをお返しする。つまり呼吸をすることで、宇宙と私が流通する、つながる、という感覚は、昔から世界中にあったんだと思うんです」
 ちなみに英語では、息を吸う・吐くは“インスピレーション”・“エクスピレーション”。そこには、宇宙にある神や霊的なものを感じる、そして死ぬ、といった、より大きなものへのつながりを感じさせる意味も含まれている。
「インドではよりはっきりしていて、“我”という意味で“アートマン”という言葉を使うんですけれど、アートマンのもともとの意味は『気息(きそ)』、つまり呼吸を意味しているんです。ちなみに、“宇宙”は“ブラフマン”。我と宇宙が、息をすることでつながっているという感覚が、言葉に表れているんですね」
 前ページでの、息(・)の動きを、気(・)持ちで追いかける、というのは、つまり外のもの(宇宙的なもの、自然そのもの)が、我に入ってきて、そして出て行くというつながりを、じっくりと意識して味わうということ。そのとき、「自分と宇宙がツーカーで繋がるような、ものすごく広い気持ちになるのです」と玄侑さんは言う。

息を送れば、からだは喜ぶ

 “つながる”という感覚をつかむのが難しければ、呼吸によって宇宙からエネルギーをいただく。だから「からだ様」は喜ぶ。そうとらえてもいい。
「からだが、一つの会社だと考えるとわかりやすいかもしれませんね。あなたという社長のもとに、社員がいっぱい働いている。あなたが夜遅くにごはんを食べたときは、胃袋という社員は、残業を強いられるわけです。でも、社長が『君たち頑張っているかね』と見回ってひと声かけてあげる。つまり胃を意識して息を送ってあげれば、社員は喜んで“がんばろう”と張り切るわけです」
 がんばっているからだに、呼吸という方法を通して、エネルギーをお供えしてあげる。

就寝前の横臥(おうが)禅はリラックス効果大

「痛いところ、冷えているところに、意識して呼吸を送ってみてください。ほわーんと温かくなるような、体が喜んでいる感覚がつかめると思います。寝る前に、布団の上で呼吸を意識する時間をもつのもいいですね。別に坐禅を組まなくても、あお向けに寝た体勢でもいいんです。息の動きに意識を沿わせて、そのほかのことは考えない。そうすると、脳はリラックスして全身が脱力するし、呼吸の届いた場所には気血が集まり温まる。そのまま心地よく眠りにつけることでしょう」

読経は、呼吸のトレーニングになる

 ちなみに、ゆっくり息を吐き、心身を喜ばせるためのトレーニングとして、お経を唱えることは非常に有効なのだそう。
「さまざまな職業があるなかで、実は僧侶という人々は、長生きなんです。なぜかというと、もちろん禅宗の場合は坐禅をするから、というのは大きいのですが、お坊さん全体では日常的な仕事としてお経を上げるから、という理由が考えられます。お経を唱えている間は、ずーっと息を吐いているわけです。否応なしに、呼吸は深く長くなる。般若心経という短いお経(漢字で表記すれば262文字)なら、慣れれば息継ぎは2回で唱えられます。しかも、丸暗記しているものを暗誦するという行為は、脳が特殊な状態になって活性化されるんです。感覚はさえるのに、思考はストップして、吐き出される響きを、ただずっと追いかけているという状態。頭がスーッと覚醒して、とても気持ちがいいのです。般若心経ならすぐに暗記できますから、みなさんも試してみてはいかがでしょう」
 本来、坐禅や読経は、健康や美容を目的として行うものではないけれど・・・と玄侑さん。しかし心身を調える効果があるのは確かなのだから“美しくなりたくて”というきっかけを入り口に、生活に取り入れてみるのも、ひとつの道だといえる。難しく考えず、まずは“深く長く息を吐く”、“呼吸を感じる”、という時間を、1日の中で作ってみることから始めたい。

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