書評『脳と魂』

「週刊現代」講談社 2005年2月14日発売(2月26日号)

現代ライブラリー、今週の本棚
 独自の「唯脳論」で知られる養老氏と、禅僧にして芥川賞作家でもある玄侑(げんゆう)氏の対談。書名のテーマのほか、最新流行の身体論について、日本社会論、「自分探し」、「個人の自立」を追い求める現代社会への警鐘など、知的刺激に満ちた一冊。
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「週刊ポスト」小学館  2005年2月7日発売(2月11日号)

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科学と禅が織りなす螺旋 
 仏教的な解剖学者と、科学的な禅僧。異なる゛知゛が共振し合う対談。<学校の体育の時間が、要するに、速く走る、高く飛ぶばかりで、普通に歩く、座るっていうことを全く教えないじゃないですか。全部非日常的な身体の使い方です>と禅僧が問えば、解剖学者は<日本は体育の哲学がないですね。(中略)体育の先生そのものが、いわゆる体育会系っていわれて、日常生活と切れちゃてる>と答える。
 なるほど、だから私たちは日本の伝統に沿った身体の使い方ができないのか。時代の波を捉えられず、乗ることができないのもそのためかもしれない。都市と自然、世間と個人についても語り合う。(籾)
Shogakukan 2005

「週刊新潮」新潮社  2005年2月9日(2月17日号)水曜日繰り上げ発売号

TEMPO BOOKS
jyugyo
養老孟司・玄侑宗久 筑摩書房・1680円
 解剖学者と禅僧にして芥川賞作家の異色対談集。観念と身体、世間と個人など、対立構造ではなく複雑に絡み合った様相を、それぞれが解きほぐしてゆく。相手から刺激を受けながら、難しいことをやさしく、やさしいことを深く語り合う言葉は熟読に価する。
All rights reserved Copyrights 2005 Shinchosha Co.

「大法輪」大法輪閣  2005年2月8日 3月号

notama
書物の輪蔵
 超刺激的な本が出た。『脳と魂』。解剖学者の養老孟司と、臨済宗の禅僧にして作家の玄侑宗久。両氏の対談である。解剖学者と禅僧。一見、異種格闘技試合のような組み合わせにも思える。が、もの言わぬ死体を見つめ続け、自然の在りようをそのまま受け入れようとする養老氏の態度は、きわめて仏教(氏自身、「仏教の考え方に親近感を持つ」と述べている)。片や玄侑氏は、仏教の「悟り」を論ずる上で現代科学のことばを援用し、死後の世界を量子論から透徹する。二人の「ねじれ」が、互いに越境して絡み合い、二重螺旋を描きつつ見事に共振する。新しい知の在り方を感じさせる好書だ。
All copy is reserved by DAIHORIN-KAKU.

「北海道新聞」 2005年2月6日 朝刊

hon
 解剖学者と僧侶が、現代日本人のあり様について縦横無尽に語り合う。科学者である養老氏が生命システムの神秘性について語りながら、仏教哲学へと近づいていき、宗教者の玄侑氏が量子論からの解釈を試みるところはスリリング。現代日本の精神性の揺らぎを、仏教が生きていたころの社会、思想、文化から見直している。
Copyright2005 The Hokkaido Shimbun Press.

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